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文化講座

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デジタル写真の楽しみ方

(社)日本写真家協会(JPS)会員・フォトス ハットリ 代表
服部 辰美

好きを見つけよう

寒くもなく暑くもなく爽やかな気分で過ごせるこの時期は、写真撮影も気持ちよくできる季節です。新緑の季節でもあり花々も色とりどりに咲き乱れ写真素材に一番めぐまれていると思います。カメラの露出設定も少し明るめに設定しておけば5月の光を感じる写真に仕上がるはずです。

私の写真教室で一番大切にしていることをお伝えします。自分の『好きを見つける』この目的のためにカメラで写真を撮る。世の中にはいろいろな分野の写真が溢れています。それでも人それぞれ好きな写真は違ってきます。趣味で始める以上はあえて嫌いなものに向かって努力しようなんて考える人はいないと思います。他人にどう思われているかを気にせず『好き』と感じる写真を撮ることが一番大切なことだと思えるように教室の皆さんに指導させていただいています。
ここを訪れて頂いた皆さんも参考にして頂けると嬉しいです。

撮影後セレクトしてプリントした写真は本当に好きになれる作品と言えるかどうかを判断してもらいます。自分の『好き』を見つけるにはたくさん撮ることが基本になります。それは好きと嫌いの選択肢をたくさん作ることで『好き』の境界線がより明確になってくるからです。そのラインが見えてきたらあえて嫌いなものにも挑戦してほしいですね。食事に置き換えてみればわかると思います。
好きなものを食べることに幸せ感じるはずですがそればかり食べ続けると栄養が偏り身体のバランスが崩れ健康体を維持することが困難になってきます。嫌いなものの中にも自分に必要な栄養素がたくさんあることを理解して嫌いなものの中から必要なものを取り入れることが『好き』を維持していくために必要なのだと思います。

例えば花を撮るのは好きだけど人物などは不得意なかたもみえますよね。そんな時は花も人物と同じポートレートだと思って撮ってみるといいと思います。
実際の人物のポートレートに挑戦すればライティングがいかに大切なものかが理解できるはずです。その人をより印象強く浮き出させて撮る光を見つけることが大切かを感じられるでしょう。これは不得意(嫌い)なものから必要な栄養素を探し出す役目ですね。このように嫌いなものから自分に必要不可欠なポイントを見つけるために挑戦してみましょう。
自分の『好きを見つける』写真に挑戦することが、写真をより深く長く続けるコツだと思います。だから教室ではこう撮りなさいという指導はあまり行ってはいません。この人にとってこの写真が本当に好きな写真かどうかをこちらは探っています。好きなようにたくさん撮りその中から大切なものをじっくりと選ぶ。 毎日コツコツたくさん撮る、これが写真上達の一番近道だと思っています。

今月の一枚


五箇山合掌の里の新緑です。
山の桜が終わると同時に新緑の芽吹きが始まります。萌葱色がきれいな時期です。


富山県南砺市菅沼


筆者のブログには、デジ一眼やコンデジで撮影したものを
いろいろ掲載しています。
PHOTO COLOR
http://tatumiiro.exblog.jp/

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