大人・子ども向けの「花粉症予防のポイント」を医師に聞いた
毎年飛散し私たちを悩ませる花粉。今年はぜひ早め早めに対策を講じておきませんか? そして今年は子どもと一緒に花粉症対策を始めましょう! 免疫バランスや栄養に詳しい医師の石原新菜先生が食事や生活習慣からの対策を解説します。
毎年飛散し私たちを悩ませる花粉。今年はぜひ早め早めに対策を講じておきませんか? そして今年は子どもと一緒に花粉症対策を始めましょう! 免疫バランスや栄養に詳しい医師の石原新菜先生が食事や生活習慣からの対策を解説します。
花粉症予防のための食生活のポイント3つ
石原先生は、花粉症予防のためには体自体をアレルギーに対抗できる状態に整えることが重要とし、3つのポイントを意識して食生活を送ることを勧めます。
また、小学校低学年くらいまでの小さな子どもたちが、どんな食材を、どんな調理法で取り入れればいいのかについてもアドバイスいただきました。早速、見ていきましょう。
1.皮膚や粘膜を丈夫にする
免疫細胞自体を元気にしたり、皮膚や粘膜を丈夫にするために欠かせないのがたんぱく質。納豆、豆腐といった大豆製品を毎日の食事に取り入れたり、肉や魚、卵などをおかずにして、必ず毎食たんぱく質を取り入れる工夫をすることを石原先生は勧めます。
子ども向けのおすすめ食材と調理法
そこで、石原先生に子ども向けのおすすめ食材や調理法を教えていただきました。
石原新菜先生(以下、石原)「大豆なら『厚揚げチーズ焼き』が食べやすいでしょう。また『しらすオムレツ』もお勧めです。しらすからは、免疫調整に欠かせないビタミンDが摂れます。また『ロールキャベツ』もおすすめ。
ひき肉と一緒に、粘膜免疫であるIgA抗体の原料となるビタミンAが摂れるニンジンも入れるとGOODですね。
魚なら子どもが好きな『鮭』。鮭には炎症を抑える働きがあるEPAも豊富で、抗酸化作用のアスタキサンチンも含まれます。『ちくわ』や『カニカマ』などの練り物は白身魚(スケソウダラ)なので、利用してみてください」
2.腸内環境を整える
腸内環境を整えるために、乳酸菌と食物繊維を摂ることを勧めます。
(1)乳酸菌
ぬか漬け、キムチ、納豆、味噌、切り干し大根などから植物性乳酸菌を摂ることで腸内環境が整うそうです。「食べる点滴」とも言われる甘酒の麹菌、乳酸菌と皮膚や粘膜を丈夫にするビタミンAやビタミンB群を含むヨーグルトも良いそうですよ。
マメ知識「酢と一緒に摂るのもおすすめ!」
石原「最近の研究で、酢の酢酸菌が花粉症の予防、改善効果があることが分かっています。酢酸菌が入っているお酢は、黒酢、にごり酢、バルサミコ酢、サトウキビ酢などです。
乳酸菌と酢酸菌を一緒に摂ることで、免疫活性が2倍以上になることも分かっています。例えば、ヨーグルトに少しお酢をかけて『酢ムージー』にするのもお勧めです」
子ども向けのおすすめ食材と調理法
子ども向けには、ヨーグルトやヨーグルトドリンク、漬物がお勧めだそう。漬物は子どもが好きなキュウリや白菜を。
(2)食物繊維
食物繊維が豊富な食品には、麦や雑穀などの穀類、さつまいもやこんにゃくなどのいも類、豆やおからなどの豆類、ごぼうなどの野菜類、アボカド、きんかん、ドライフルーツなどの果物類、きのこ類、わかめひじきなどの藻類があります。
きのこ類はとくにお勧めで、食物繊維の中でもきのこ類に含まれる「β-グルカン」には免疫細胞を活性化する作用があると言われているそうです。
子ども向けのおすすめ食材と調理法
子ども向けには、どんな食材が良いのでしょうか?
石原「『納豆』はタンパク質、食物繊維、納豆菌が同時に摂れる素晴らしい食材。『海苔』もいいですね。おにぎりやお餅に巻きましょう。ヨーグルトに『バナナ』を合わせるのもお勧めです。また、『豚汁』もゴボウや人参、里芋などの野菜をたくさん摂れるのでお勧めです」