愛知県共済

大人・子ども向けの「花粉症予防のポイント」を医師に聞いた

毎年飛散し私たちを悩ませる花粉。今年はぜひ早め早めに対策を講じておきませんか? そして今年は子どもと一緒に花粉症対策を始めましょう! 免疫バランスや栄養に詳しい医師の石原新菜先生が食事や生活習慣からの対策を解説します。

3.免疫バランスを整える

免疫バランスを整えるには、免疫細胞のバランスを整える「パラミロン」、マクロファージを活性化すると言われる「LPS(リポポリサッカライド)」、体を温める食材、チョコレートなどのポリフェノールが良いと言います。

1)パラミロン

パラミロンとは、藻(も)類の一種である、ユーグレナだけが持っている食物繊維のこと。免疫細胞の働きのバランスを整える作用があることが分かっているそうです。パウダー状のものやドリンク状の製品で売られています。

子ども向けのおすすめ食材と調理法

子ども向けには、パウダー状の「ユーグレナでつくる白玉団子」、「ユーグレナ入り蒸しパン」、「ユーグレナでつくるリゾットまたはパスタ」などがお勧めだそうです。

2LPS(リポポリサッカライド)

LPS(リポポリサッカライド)とは、水の中や土の中にいる細菌由来成分で、体内に入ったアレルゲンを食べてくれるマクロファージを活性化するといわれている成分。めかぶ、わかめ、れんこんなどに多く含まれています。

漢方の「葛根湯」の原料である「葛根(クズの根)」 にも多く含まれている成分で、アレルギー予防には、くず湯を飲んだり、お味噌汁にくず湯を混ぜて習慣化するのもお勧めだそうですよ。

子ども向けのおすすめ食材と調理法

子ども向けには、LPSが多い海藻類がおすすめだそう。「ワカメの味噌汁」「ワカメのたまごスープ」「しらすとめかぶ丼」「オクラとめかぶ和え」などが良いそうです。

3)体を温める食材

体温が下がると免疫機能も低下すると言われているため、体を温めることは重要。免疫細胞が最も活発に働くのは体温が36.5度のときだと言われるので、36.5度以上をキープすることを目指すと良いそうです。

【体を温める食材例】
チーズ/玄米・黒パン・そば/根菜(玉ねぎ・にんじんなど)/赤身の肉、魚介類
りんご・さくらんぼ・ぶどう/納豆・あずき・黒豆/紅茶・ココア・ウーロン茶/塩・みそ・醤油/黒ごま・黒砂糖・和菓子

子ども向けのおすすめ食材と調理法

子どもにはどんな食材がいいでしょうか?

石原「まずは温かい『味噌汁』。味噌は発酵食品で腸内環境もよくし、免疫バランスを整えてくれます。『煮あずき』もお勧めです。おしるこでも良いですが、煮あずきをカレーに入れたりスープに入れたりも美味しいですよ。

そして体を温める食材、ニンジンや玉ねぎ、ジャガイモ、肉の入った『具だくさんカレー』も子どもが大好きな味付けでつくってあげましょう」

4)チョコレートなどのポリフェノール

ポリフェノールは、もともと、植物が有害なものから自身を守るために作り出す成分「ファイトケミカル」の一種。赤ワインのポリフェノールやチョコレートに含まれるカカオポリフェノールには免疫バランスを整える効果が期待できるそう。

また、コーヒーに含まれるポリフェノールの一種「クロロゲン酸」も抗酸化作用が高く、免疫バランスを整えるのに役立つそうです。

子ども向けのおすすめ食材と調理法

子どもにはどんな風にポリフェノールを摂取させれば良いでしょうか。

石原先生は、「チョコレート」や「ココア」のほか、テアフラビンを含む「紅茶」、カテキンを含む「緑茶」、アスタキサンチンを含む「鮭」も勧めます。

さらに、アントシアニンを含む「レーズン」、例えばレーズンパン、ヨーグルトやシリアルにレーズンを入れるなどして摂るのも良いそう。リコピンを含む「トマト」も、トマトソースのパスタなどで取り入れましょう。

【取材協力】石原 新菜 先生

医師・イシハラクリニック副院長/ヒポクラティック・サナトリウム副施設長/健康ソムリエ講師

20004月帝京大学医学部に入学。20063月卒業、同大学病院で2年間の研修医を経て、現在父、石原結實のクリニックで主に漢方医学、自然療法、食事療法により、種々の病気の治療にあたっている。著書は 13万部を超えるベストセラーとなった『病気にならない蒸し生姜健康法』をはじめ、『「体を温める」と子どもは病気にならない』、『研修医ニーナの731日』等30冊を数え、韓国、香港、台湾、ベトナムでも翻訳され出版されている。

 

●記事を書いた人:今村 梓(ライター)

 

記事提供:ウレぴあ総研

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